集団における役割
人が集まって、何らかの集団ができたとき、参加メンバーの中に「役割」というものが発生します。
集団の「目的」や「しばり」によって、「役割」はハッキリしていくように思います。
たとえば、仲の良い友達同士の集まりの場合、飲み会をセットする人、会計する人、FaceBookで公開する人、などがゆるやかに決まっているように思います。
これが、小学校の学級会になると、委員長、副委員長、美化係、図書係、給食係・・・のように、クラス運営という目的の元、役割が決められ、ある程度の強制力?(授業の開始時に委員長が「起立・礼・着席」と号令をかけ、全員それにならう)みたいなことがありますよね。
これが、最もハッキリしているのが「国家運営」だと思いますが、ある種、一番厳格に適用されているのが「会社」という組織だと思うのです。
株主はちょっと別にすると、
取締役 / 執行役員 / 管理職 / 一般社員
に大きく区分できますし、それぞれの中にも階層があります。
個人的な感覚ではありますが、人口比率は、取締役と執行役員は多くても2~3%程度、管理職が10~15%、一般社員が85~90%くらいではないかなぁ、と。
そして、それぞれの中にさらに階層があり、なすべき役割を果たしているのです。
上司と部下・管理職と一般社員
さて、一般に言う上司と部下の関係とは、管理職と一般社員のそれだと思うのですが、ここに「対立の図式」が出来やすいのは、まさに管理する側とされる側の軋轢によるものでしょう。
同じ従業員という立場でありながら、管理職は経営サイドに立っていて、一般社員に仕事をさせることが仕事となります。
ドライに割り切った言い方をすれば、
- 一般社員は、労力と時間を提供して自分の「役割」を果たし、対価としての給料をもらう
- 管理職は、責任と権限に基づき、複数の一般社員が「役割」を果たすよう管理し、組織として成果を出す「役割」がある
わけです。
さらに言えば、
- 一般社員は、より少ない労力と時間で、より高い報酬を得たい
- 管理職は、より少ない投資(人員数を含む)で、より多くの収益をあげたい
ということです。
管理職と一般社員、どこからどう見たって、バッティングしますよね。
管理職と一般社員の間にあるもの
このように、理屈だけで突き詰めて考えれば、管理職と一般社員は、双方相容れません。
両者の間には、暗くて深い河があるようなものですね。
また、同じ一般社員の間でも、他のメンバーを束ねる立場や、新入社員や後輩を指導する立場があり、管理職の間では、一般社員間よりもさらに厳格な上下関係がありますので、各々の区分けの中でも、当然のように軋轢は発生します。
ただし、人間が営むものである以上、そこには智恵があり、うまくこなすことも出来るものでもあるのでしょう。
部下に対して、何をどう考えなすべきか、これは、とても重く難しいことですが、上司として最も重要な仕事だと思います。
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