ちょっと自由に生きるコツ

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見方を変え気持ちを変えるとちょっと自由になれるかも。 ビジネスマン向けのメソッドから、日々の雑感までを綴っていきます。

「アキラとあきら」(池井戸潤・著作)は読後、スッキリした気持ちに浸れる秀作です

「半沢直樹」シリーズや「下町ロケット」の著者・池井戸潤氏の小説「アキラとあきら」を読みました。

本作品も銀行員が主人公となるもの、700ページを超える長編ながら一気に読ませるおもしろさがあり、そして、読み終わった後はスッキリした気持ちに浸れる秀作でした。

 

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文庫本はWカバーでした。

 

「アキラとあきら」のネタバレにならない紹介

これから「アキラとあきら」をお読みになる方のために、ネタバレにならない程度に本作の紹介をします。

 

「アキラとあきら」はW主役

本作は、タイトルどおり「あきら」という名前の2人がW主役となっています。

山崎瑛は伊豆・河津の零細工場の経営者の息子。

皆堂彬は大手海運会社の社長の息子。

 

同じ年の2人はともに「社長」の息子という立場ながら、山崎瑛は小学生時代に工場が倒産し、夜逃げを経験する一方、何不自由なく成長した皆堂彬は、親の敷いたレールを走ることを嫌がり、自分で選んだ道を進みます。

 

前半は山崎瑛に重きが置かれていますが、中盤以降は皆堂彬とその親族に関わる話が中心となっています。

 

兄弟の確執

本作品のキーワードに「兄弟の確執」があげられ、皆堂彬をとりまく人物たちで描かれています。

 

経営者としても人間としても優れた皆堂彬の父・一磨と、学者肌でプライドが高い叔父・晋、遊び人でワガママな二番目の叔父・崇。

2人の叔父は、父・一磨に対するコンプレックスと対抗心の塊りのような人たち。

また、皆堂彬の弟・竜馬も、優秀な兄に対するコンプレックスをもっています。

 

それぞれ経営者でありながら、長兄に対する近親憎悪を背景とした行動が、大変な問題を起こしていくのです。

 

「アキラとあきら」の超あらすじ

それぞれ全く異なる境遇で育った山崎瑛と皆堂彬は、都市銀行・産業中央銀行に同期として入行する(この時点で280ページほど費やしています)。

 

新入社員研修で行われた「融資戦略研修」で、伝説となるバトルを繰り広げた2人は支店の融資担当に配属となり、それぞれ銀行員の現実に直面しながらも、自身の信念をもって仕事にあたる。

 

そんな中、皆堂彬の父・一磨が若くして他界。

リゾート事業に投資し資金繰りに窮していた二人の叔父は、策略によって彬の弟・竜馬を大手海運会社の社長に就任させ、資金を引っ張り出すのだが・・・。

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「アキラとあきら」を読んだの感想

2人はライバル関係ではなかった

「アキラとあきら」というタイトルを見たとき、そして、第二章で皆堂彬が登場したシーンを読んだときは、「この2人がライバル関係となる物語」と思ったのです。

 

そして、新入社員研修での2人のバトルが始まったときは、いよいよと思ったのですが・・・、ここから以降は、皆堂彬が中心となったストーリー展開であり、2人の関係は予想に反するものでしたね。

 

敵役の影がうすい

池井戸潤氏の小説には、あきらかな敵役が登場し、その強大な敵を打ち負かしたり、あるいは、その敵役によるさまざまな妨害を乗り越えて成功し、読者は読み終わった後にスッキリするというパターンが多いですよね。

 

この「アキラとあきら」では、メインの敵役は皆堂彬の2人の叔父になるのですが、2人とも、経営者としての能力は低く、ただ、コソコソと陰で人を騙すような存在、とても敵役と呼べる代物ではありません。

また、堅物上司や他行のイヤミな行員も登場しますが、かなり軽い扱いで、とにかく出てくる敵役は皆、影が薄いのです。

 

なので、この敵役をやっつける「勧善懲悪」のスッキリ感は、あまりありません。

 

読後のスッキリした気持ちとは?

では、「アキラとあきら」を読み終わったあとのスッキリした気持ちとは?

 

ひとつは「あきらめずに困難を乗り越える」ということ。

本作でも、とても大きな問題が立ちふさがり、絶体絶命のピンチを迎えます。

それを乗り越えようと悪戦苦闘するのですが、うまくいかず・・・。

しかし、最後には大どんでん返しで、困難を乗り越えるのですね。

「下町ロケット」にも通じるこのカタルシスには、堪らないものがあります。

 

スッキリした気持ちのもうひとつは、山崎瑛の原体験に基づく「信念の実現」です。

ストーリーの後半、裏方にまわる山崎瑛ですが、最後には彼の存在が大きく光ります。

そして、W主役とした意味が理解できました。

 

おわりに

いつもおもしろい作品を読ませてくれる池井戸潤氏。

今回読んだ「アキラとあきら」も、ほんとうにおもしろい秀作でした。

まだ、読まれいない方、スッキリした気持ちを味わいたい方、おすすめですよ。

 

「アキラとあきら」は、向井理、斎藤工主演で、7月、WOWOWでドラマ化されますね。

こちらも楽しみです。

 

 池井戸潤氏の作品群へのリンク

 

では、また。

 

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