ちょっと自由に生きるコツ

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見方を変え気持ちを変えるとちょっと自由になれるかも。 ビジネスマン向けのメソッドから、日々の雑感までを綴っていきます。

「君たちに明日はない」(垣根涼介著)というリストラ小説が本当におもしろかった

 

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食わず嫌いってありませんか?

食べる物での喰わず嫌いはもちろんですが、漫画や小説などで、表紙を見たとたん、なぜか読む気がしなくなるというもの。

 

私は何人か、食わず嫌いとなっている作家がいまして、垣根涼介氏もそのひとり。名前は知っていましたが、これまでその作品を一度も読んだことがありませんでした。

 

本屋さんで物色中に、「君たちに明日はない」というキャッチーなタイトルに惹かれて手にした一冊は、その垣根涼介氏の作品。

ものは試しで読んだところ、これがとてもおもしろかったのです。

 

「君たちに明日はない」のあらすじ

いわゆるサラリーマンものです。

主人公の村上真介は、日本ヒューマンリアクト(株)というリストラのアウトソーシングを請ける会社の社員。

ジャニーズ系のイケメンで頭も切れて弁も立つ。そして、熟女好きの30代前半男性。

真介本人も、前職を日本ヒューマンリアクトの手引きでリストラされ、そしてヘッドハンティングされた過去を持ちます。

君たちに明日はない (新潮文庫)

君たちに明日はない (新潮文庫)

作者: 垣根涼介
 

この「君たちに明日はない」には5つの章があり、真介がいろいろな会社に乗り込んで、リストラの面談を行っていきます。

 

各章のメインとなるリストラ対象者は、

  • 建材メーカーに勤務する気が強くて仕事もできる女性
  • オモチャ会社で過去ヒット商品を開発するも、今は鳴かず飛ばずの子供のような男性
  • 合併した都銀で干されている男性
  • ナンバー1自動車メーカーで販促コンパニオンを務める女性
  • そして、音楽事務所に所属する全く正反対の2人のプロデューサーのどちらかを解雇する

であり、基本的に章ごとに完結しています。

(が、ストーリー自体は未完のものもあり、含みをもたせています)

 

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「君たちに明日はない」でおもしろいと思ったこと

最初に、これはおもしろいな、と思ったのが、主人公がリストラのアウトソーシング会社の社員であること。

 

いわゆるリストラものは、人事部の社員が主人公で、社内のリストラに関わる人間模様を描くのが主流で、パターンはある程度固定化されてしまいます。

ところが、この設定だと、さまざまな会社を舞台とできるため、物語の幅が広げられるのです。

実際、「君たちに明日はない」では、主人公も含めると6つの会社でのリストラ劇が描かれており、登場人物やそれぞれの会社の違いが、はっきりと浮き彫りにされています。

 

単なる交渉話ではない

リストラ対象者に対する退職勧奨は、こちらでも大きな見せ場となっています。

対象者に対する主人公の態度、ものの言い方、伝える内容、など。

特にリストラされるのを渋る対象者に、「なぜ、退職勧奨されるのか」の理由の提示の仕方や、断わったらどうなるかというある種の脅し文句、一方、労働基準法で定められている「やっていいこと・悪いこと」などが、具体的に書かれているのです。

 

私自身、過去にリストラ業務を経験したことがあり、その当時を思い出し、自分の体験と比べることができたのです。

 

さらに、リストラ話だけに留まらず、主人公の生い立ちやキャリア、そして、仕事に対する価値観を背景として、主人公の心情と本来業務を越えた行動などを絡ませながら話が展開されていて、とても含みのある物語になっています。

 

程よい「外連味(けれんみ)」を持った人物設定

リストラをテーマとした小説は、とんでもない悪事を働いていたり、聞き分けがなさすぎる頑固者など、個性が強すぎて、現実味に欠ける人物が登場するケースが多いですよね。

 

でも、この「君たちに明日はない」は、程よい「外連味(けれんみ)」を持った人物が出てきます。

現実の社会に居てもおかしくない人たち、でも小説ですから、それなりの個性を持っていて、若干、うけ狙いっぽい感じがしないでもないという設定です。

 

主人公・真介は、ジャニーズ系のイケメンで、筑波大学に通いながらプロレーサーを目指して挫折しています。

しかも、気丈な熟女好きで、自分がリストラを仕掛けた相手と恋仲となる。

 

仕事上のペアとなる派遣社員は、キャバ嬢っぽい雰囲気を持った美人。緩慢な会話と動作をしつつ、結構、鋭いところがある、といった設定です。

 

平凡ではない、けれど、個性的過ぎることもない、程よい「外連味(けれんみ)」が、とても共感しやすいものでした。

 

おわりに

一文が短めで、文体も平易で、とても読みやすく書かれています。

作品に出てくるリストラを実行する会社は、「おそらく、あの会社がモデルだな」と簡単に想像でき、それぞれの業界や会社の特徴を、この本を通じて知ることができます。

 

作中、かなりドギツイ性描写が何度か登場し、少々、違和感を感じましたが、とても、おもしろい一冊でした。

 

この「君たちに明日はない」は、シリーズになっています。

喰わず嫌いを改め、しばらく垣根涼介氏の作品にのめりこみそうです。

 

君たちに明日はない (新潮文庫)

君たちに明日はない (新潮文庫)

 

 

 

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では、また。

 

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